2026年6月12日(金)からAmazonプライムビデオで配信スタートする『クロエマ』は、WOWOWとAmazonプライムビデオが共同制作したPrime Originalドラマで、240以上の国・地域で世界独占配信されます。
原作は『逃げるは恥だが役に立つ』で大人気を博した漫画家・海野つなみの同名漫画(講談社「Kiss」連載)。監督は『愛がなんだ』や『街の上で』、『セフレと恋人の境界線』『窓辺にて』などの作品でリアルな愛の世界を描き出す今泉力哉。脚本は監督作『聴こえてる、ふりをしただけ』(12)で、11人の子どもが審査員を務めるベルリン国際映画祭「ジェネレーションKプラス」部門で、準グランプリにあたる「子ども審査員賞」を受賞したキャリアをもつ今泉かおり。Prime Originalドラマ『1122 いいふうふ』でも話題になった夫婦タッグによる実写化。
主演は杉咲花と多部未華子。実力派ふたりの初共演が実現した点も、本作の大きな見どころのひとつです。
恋も仕事も家も失った30歳の女性・エマが、謎めいた資産家・クロエの屋敷に辿り着くところから物語は始まります。毎週金曜日、3週連続での配信です。

Prime Original『クロエマ』
(Prime Video JP – プライムビデオ公式サイトより引用)
番組紹介
ストーリー
恋も家も職も失った江間宵(えましょう・エマ@杉咲花)が、ひとりで豪邸に住む謎の女・黒江神名(くろえかな・クロエ@多部未華子)と出会う。「一晩だけ泊めてあげる」の言葉から始まる、境遇も価値観も噛み合わない二人の共同生活。やがてクロエが占いの店を開くことになり、日曜限定の店には様々な悩みを抱えた客が訪れる。
占いを受けに来た客の物語が描かれ、その占いをきっかけに彼らの本心が徐々に明かされていく構成で、一話ごとにミステリー的な謎解きが楽しめる作品。すべてが明快に解決するわけではない中で、対照的なふたりの関係もまた少しずつかたちを変えていく、甘くてちょっとダークな占いミステリーとなっている。
キャスト
| 役名 | 俳優 |
|---|---|
| 江間宵(えましょう・エマ) | 杉咲花 |
| 黒江神名(くろえかな・クロエ) | 多部未華子 |
| 下門賢志郎(シモン・純喫茶パリの2代目マスター) | 岩瀬洋志 |
| 小長谷由希子(こながやゆきこ・元インフルエンサー) | 臼田あさ美 |
| 真秀昇太(ましゅうしょうた・大庵設計事務所の営業) | 井之脇海 |
| 大庵理華(だいあんりか・大庵設計事務所の建築士) | 河井青葉 |
| 長州(ちょうしゅう・純喫茶パリの常連「じいさんズ」) | 野添義弘 |
| 半田(はんだ・純喫茶パリの常連「じいさんズ」) | 諏訪太朗 |
| 田中奏大(たなかかなた・電車の乗客) | 桐山漣 |
| 寧山新月(ねいさんしんげつ・カリスマ占い師) | 光石研 |
※このほか、毎話豪華なキャストが続々登場!
スタッフ
| 原作 | 海野つなみ『クロエマ』(講談社「Kiss」連載) |
| 監督 | 今泉力哉 |
| 脚本 | 今泉かおり・今泉力哉 |
| チーフプロデューサー | 大瀧亮 |
| プロデューサー | 鳴海波奈子・鈴木徳至 |
| 企画 | 小原亜弓 |
| 製作著作 | WOWOW |
| 制作プロダクション | WOWOW・コギトワークス |
各話あらすじ・ネタバレ
第1話|恋も仕事も家も無くしたエマ、クロエと出会う
エマこと江間宵(杉咲花)は、クロエこと黒江神名(多部未華子)の邸宅の庭で野宿しようとしていたが、玄関から出てきたクロエに夜パフェを作りに来ていたシモンこと下門賢志郎(岩瀬洋志)に見つかる。
すぐに去ろうとしたエマだったが、急に腹痛を起こしてクロエにトイレを貸してほしいとお願いする。
トイレから出たエマは、シモンが出してくれたお茶と手作りの全粒粉クッキーを食べながら、身の上話をする。
30歳のエマは27歳のとき母を亡くし、その後一緒に住むことを勧めてくれた彼氏の顔色をうかがいながら同棲していたが、会社が倒産し、その彼氏が新たな仕事を紹介してくれた別の女性とデキ婚。恋人と仕事、住む場所も同時に失ってしまったというのだ。
いつも星占いばかり見ているというエマを、クロエが占うことになる。クロエは「占いって過去や未来は当たるのよ。それはもう確定してるから、でも未来はそんなに当たらない。なぜだと思う?未来はこれからの行動で変わっていくから、それでもよかったら占ってあげる」と言い、メディテーションルームでエマを占う。クロエは、クロニクルカードと呼ばれるカードを持ち、「オー・モン・デュー」と声を上げてカードを宙に投げ、散らばったカードのうち5枚を拾って占う手法を取っている。
その後クロエは一晩だけ、と断り、離れにエマを泊めてくれることになる。さらに生活保護の申請手続きや不動産会社への紹介状などを用意してくれた。口は悪いが親切なクロエに感謝するエマだったが、夜中に起きるとクロエの住む母屋が火事になっていてびっくりする。実は、クロエがクロニクルカード占いで「近い未来に事故とか燃焼が起きる」と言っていたのだ。エマは火事を見つけたお礼に、クロエと一緒にしばらく離れで暮らすことになる。
エマは、住まわせてもらう代わりに料理を作るが、中途半端に固まったたまご入りのインスタントラーメンや、炊飯器がないため土鍋で炊いた焦げ焦げのご飯にクロエはうんざりする。エマはこれまで残業続きで、スーパーで売れ残った半額のお惣菜などで食事を済ませていたことなどを話し、クロエに呆れられる。世話になっているので何かクロエの役に立つことをしたいと思ったエマは、クロエの長い髪を乾かすことを提案し、クロエにやっと気に入ってもらえる。
10日後、ハローワークに来たエマは、コナユキこと小長谷由希子(臼田あさ美)とぶつかった縁で公園で一緒に昼食を摂ることになる。エマはクロエとの出会いから今日までの話を由希子に話す。話を聞くうちに、由希子が自分を占ってほしいと言い、クロエの最初の客となる。
クロエの占いで「良い縁が巡ってくる」とポジティブな結果が出た由希子だったが、帰宅後にクロエが名前や生年月日からSNSを辿り、由希子がライフスタイル系インフルエンサーの”カミーユ”こと上居(かみい)由希子であり、夫の破産で一家離散になっていた事実を突き止める。由希子は旧姓で、過去の自分として占いを受けていたのだ。
翌日、ティッシュ配りをしている由希子を見かけたクロエとエマは、シモンがマスターをやっている純喫茶パリで話を聞くことに。今の暮らしの中に心地よさを感じ始めていた由希子は、就職先も決まってつなぎのバイト中だと明かし、子どもを引き取りたいと話す。由希子はエマたちとシモンの裏メニューのパフェを食べながら、自分の本当の気持ちを話す。クロエは「寂しくなったらパリに来たら」と伝え、さらにエマにパリで働くよう声をかける。ここでクロエがパリのオーナーだったことが判明する。
第2話|ルッキズムと修羅場とかりんとう
朝食を摂っているエマとクロエがテレビで奥多摩連続殺人事件のニュースを見ていると、龍脈占術で有名なカリスマ占い師・寧山新月(光石研)が犯人像を「細身の猫背の見た目は好青年、30代後半」と予言していた。
そんな時クロエの家を訪れたのは、他人の個人情報をペラペラ話してしまう迂闊な営業マンの真秀昇太(井之脇海)と、クロエの親の代から知り合いで母屋の修復を担うこだわりの建築士の大庵理華(河井青葉)。
家に関するこだわりについて話している時に洋服に関するこだわりの話になり、クロエが人と会う時は着ていて気分が上がる服、家でくつろぐ時はシルクの服を選んで着ていることを話すと、エマが求職中のため無難な白・黒・グレー・ベージュの10着の服を着回しているが、寝るときだけ浮かれたピンクの水玉を着ていると話す。
この日の占い客は二人。カレが元カノと接近していると悩む大学生の馬場律子(雫瀬永紡)と、カフェでバイトしている見た目がパッとしない彼女に信用されないモデルの反田正彦(倉須洸)。二人の占い結果はともに「木曜日の逆位置」——恋愛の修羅場が訪れると示されていた。
純喫茶パリでバイト中のエマは、いわゆる「見た目が良い」とされる占い客二人の悩みについて考えていると、常連のじいさんズ(長州と半田)が昔話に絡めて親父ギャグを飛ばす。彼らが帰った後、シモンが自身も見た目の良さで苦労した過去を打ち明ける。女性たちに見た目が良いことで恋愛を仕掛けられて仕事を辞める羽目になったというのだ。
そんなシモンに声をかけ、純喫茶パリで働く場を与えたのがクロエだった。クロエは恋愛を仕掛けてこないし、そういう客が来ない場所に置いてくれるのがありがたかったと話す。クロエがシモンも助けていたと知ったエマが「クロエは良い人すぎないか」と聞くと、シモンは「助けてと言って頼ってくる人は嫌いだが、他人のせいで困っているのに自分でなんとかしようと頑張っている人には手を差し伸べてしまうお人好し」とクロエを評する。
エマは、「立場は平等じゃない」と自覚した上で、「相手を見つつ、嫌われないギリギリの悪意のない図々しさ」を身につけて生きてきたのが「エマ式ライフハック」だと笑顔で語る。これに「なかなか高難度ですね」と笑顔で返すシモン。
次の占い客は、元カレとバイト先のお客さんの2人からアプローチされている大学生の美作遥(未菜)。美作の占い結果も「木曜日の逆位置」で、クロエは馬場・美作・反田・そして美作の元カレという四角関係を疑い始める。持ち前のリサーチ力で元カレの九十九賢(林裕太)を特定したクロエは、四人を純喫茶パリに集める作戦を立てる。
大学生に成り済ましたクロエが、美作がつけていた黒焦げトーストのイヤリング(九十九からのプレゼント)とそっくりなイヤリングを落として九十九に接触して美作のバイト先を教える。一方エマがさりげなくパリのたまごサンドを美作に勧め、九十九と美作はパリで待ち合わせをする。そこにインスタを見た馬場と反田がやってくる。
モラハラ男の九十九は馬場を「ストーカー」呼ばわりしてひどい言葉で貶し始める。それを見ていた美作の「なんでこんな奴と付き合ってるの?」という言葉に馬場が美作に嫉妬して反論する。その様子を窺っていた反田が三人に割って入る。「見た目になんかこだわる必要ない」という反田に「九十九も反田も上から目線では?」と美作が反論する。
「自分が綺麗だと思っている人間は無意識に相手を見下してくる」から苦手だと言う反田に「それはあなたのことでは?」と馬場が反論する。馬場に「こんな男とは別れた方がいい」と言う美作と反田に「絶対に別れない、私たちはお似合いなの」と馬場は主張し、四人の修羅場は結局収拾がつかないままだ。
その夜「他人に何かできると思うのはおこがましかった」と反省して落ち込むクロエとエマにシモンは”大人のかりんとうパフェ”を振る舞う。小学生のころ、クラスの子にリコーダーを盗まれたのに先生から「許してあげなさい」と言われたシモン。帰宅すると、おやつにかりんとうがあって「なんでかりんとうなんだ!」と号泣した。しかしそのかりんとうをヨーグルトと合わせると元気が出た——それがパフェの原点だという。シモン少年は自分の力で幸せになる道を探したんだ、とクロエは分析する。
しかし、自分の幸せに自分で気づけるかどうか、それに気づけるのは「お金とか美しさとか才能がある余裕がある人だけだ」とエマは指摘する。「こんなパフェが食べられるようになれればいい」と今の幸せを噛み締めるエマに、クロエは「自立して自分のお金で食べに来られるようになりな」と背中を押す。
第3話|クリームソーダキャンディと”オムハムエッグ”のショボい幸せ
建築士の大庵が営業マンの真秀を伴って、新しい家の図案やカーテンの生地見本の打ち合わせのためにクロエを訪れる。打ち合わせが終わり、小腹が空いたと言うクロエと大庵、真秀にエマがオムハムエッグを作る。細切りにしたハムを卵で巻いただけのシンプルな料理だが、エマにとっては「我が家の味」だ。真秀がオムハムエッグを「ショボイ」とうっかり貶す一方、クロエは、家政婦と母が開いていた料理サロンの味で育ったため、そういう意味での「我が家の味」がないとこぼす。
ある日、突然迷惑系youtuberの市川が占い屋「ソール」に突撃取材をし、クロエが警察に通報する。最近、遊び半分の男性ユーザーが増えたことに疑問を持ったクロエが検索すると、地図サービスに勝手に店舗情報が登録されているのを発見する。「モーリー」というアカウントのユーザーがクロエを「派手な衣装のアンドロイド風の美女がカードを放り投げる、トンチキ占いの店」と書き込んでいた。
プラットフォームの規約上、「不快な体験を敬意を持って表現したコンテンツ」は削除できない。しかしクロエは顧客名簿と投稿日を照合してモーリーを特定し、同じトーンの嫌味な丁寧さで返信を書き込む。「不快な体験を敬意を持って表現する」をやり返したのだ。
「占いとは真剣な問いへの真剣な答え。真剣な問いは真剣に生きる人からしか生まれない」——翌日、クロエの挑発に乗ったマスク姿のモーリーが別人を装って来店する。雪尾虎盛(ゆきお・こもり)と名乗るモーリーだが、「もり」が入っているためすぐに正体がバレる。占いの結果は、孤独が悪い方に作用している、過去に不公平だと強く感じた経験がある、正義感が悪い方へ働いている、未来には炎上が起こるが結果的には良い方向へ転ぶ、モーリー次第では——というものだった。
モーリーのラッキーカラーは「黄緑」。エマがサービス向上のために買ってきたクリームソーダキャンディー(クロエ曰く「ショボアメ」)の色と一致していた。二週間後、モーリーはそのショボアメが生産終了していた商品だと知り、販売情報をSNSに投稿したことでバズる。しかしその後、クソリプが殺到し、モーリーはアカウントを削除してしまう。
しかし、すかさずクロエはモーリーの個人ブログを特定する。そこにモーリーが書いていたのは、クソリプを見て「あ、これ俺だわ」と気づいてしまったということだった。自分も某所でクソリプかまして手痛い反撃を受けてコメントを消したばかりだった、と反省していた。モーリーは30代で非正規雇用、独身ながら家族を背負う世帯主という境遇であり、「人生ガチャでババ引きまくり」な自分の自意識を保つために斜に構えて他人を茶化していい対象と見做して自分を保ってきた。
そして、いざ素直になってシンプルに楽しむことを始めた途端に、過去の自分のような人たちが寄ってきて「因果応報すぎて笑っちゃった」し、「自分が甘すぎた、キャンディーだけに」と自分を茶化していた。
最後にブログには、バズることは楽しかったけれど怖い気持ちの方が強く、それよりも店を探して見つけたり、その時の熱い気持ちを書いたり、喜んでもらえる方が嬉しかった、「幸せってショボいものでいいんだ」って感じ、という言葉で締めくくられていた。
今回のシモンの夜パフェは「パチパチキャンディーパフェ」。パチパチする刺激ははじめだけで、あとはフルーツの自然の甘みを楽しんで、というシモンに、「刺激は楽しいけどそんなにはいらない」というクロエ。「人生に大事なのは安定と安全」というエマ。「イメージを具現化するのが楽しい」というシモン。
エマがクロエに「人生で大事なものは何?」と聞くとクロエは「特になし」と言う。なんでも揃っているということは、何一つ自分のものではないのかもしれない、「我が家の味と一緒で」とつまらなそうに答える。
翌朝、クロエはエマのオムハムエッグにマヨネーズを加えて改良し、エマよりも江間家の味に近いオムハムエッグを完成させる。エマはクロエにその味を継いでほしいと告げる。クロエは「よし、継ぐか、江間家の味、ショボイ味だけどね〜」と憎まれ口を叩くが、まんざらでもなさそうだ。そんなクロエを見て嬉しそうに笑うエマ。
その頃、朝食を食べる寧山新月の姿が映し出される。その食卓には”オムハムエッグ”が!
第4話|一緒にいてくれたら、それでよかった
ある日の純喫茶パリ。エマはクロエから外国のお菓子をもらった時に「これ、おいしくなかったけどあげるね」と言われたことに腹を立て、シモンに愚痴っていた。「空気が悪くなるから」という理由で悪口が嫌いなシモンは、適当に相槌を打つ。しかし納得のいかないエマは「余裕のある人には余裕のない人のことが見えていない」とまで言い放つ。
そこにクロエが入ってきて、「洗濯の時は下着は別にして、と言ったのに一緒に洗っている」ことについて文句を言う。エマは「洗濯ネットに入れて分けている」と言い返し、クロエは「2回に分けて洗ってっていうこと」と説明するが、エマはいい加減な返事をしてクロエを苛立たせる。
そんな中、店に常連の長州と半田が珍しく別々のテーブルに座って注文をする。何やら喧嘩中のようだ。こちらでも板挟みになり、困った顔のシモン。そんな時、突然真秀が青ざめた顔で飛び込んでくる。なんと大庵が見知らぬ車に引き込まれるところを目撃したというのだ。
すわ”事件”か?という状況に、純喫茶パリのスタッフと常連で捜査会議が始まる。真秀は「車は黒いバン、八王子方面に向かった。電話しても出ない」と言う。そこでクロエが大庵にメールを打つが、車の向かった先は奥多摩方面ではないかと気づき、連続女性殺人事件の現場と同じ方角だと一同はざわつく。全員に戦慄が走る中、大庵から「大丈夫です」というメールは届いたが、最悪の事態も考えてクロエが占いで方角を調べると「東」と出た。奥多摩とは逆方向だ。埒が明かず、クロエは警察署に届けることを提案する。
ところが、警察署が近づいたところでエマが「電気屋に寄りたい」と言って離脱しようとする。首掛け扇風機が欲しいというのだ。居候の身でオンラインで買い物するのに引け目を感じており、大庵とも親しくないから役に立てない、というのがエマの言い分だ。
去っていったエマに苛立つクロエ。クロエは、「役に立たなくても、(エマが)一緒にいてくれたらよかった」と本音を話す。その言葉を聞いたシモンが静かに笑う。そこにエマからメールが届く。エマが立ち寄った電気屋のテレビに映っていた大相撲の中継に大庵の姿を発見。無事が確認されて一件落着となる。占いの「東」は両国国技館を指していた。
事件の解決後、疲れたので気晴らしに買い物して帰る、と言うクロエと別れたシモンと真秀が公園のベンチでコーヒーを飲みながら話をする。シモンは「クロエとエマが距離を取っている感じが寂しい」と思い、真秀と話すうちに「(パフェの話として)強いものも弱いものも、ぶつからないように組み合わせを工夫して生きる場所を作る。人間もそうだといい」という考えに行き着く。
一方、一人で帰路に着いたクロエが乗った電車が止まる。痴漢が逃げて線路に立ち入ったためだ。「性犯罪者なんて再犯率高いんだから全員無期懲役にすべき」と息巻く女子大学生に、隣に座っていた田中(桐山漣)が「性犯罪者よりも窃盗犯の方が再犯率は高い」と言い、クロエが法務省のデータを示して田中の補足をする。このことでクロエは田中と言葉を交わすことになる。田中は「正しいって誰にとって正しいか」という問いは切り離せず、「正解がないことについては本人気持ちに従っていくしかないと思う」と語る。
「占いも正解がない」とクロエが田中に話し始める。占いのカードはいろんな意味があり、相手や状況に応じて意味を選んでいるに過ぎないのかもしれない、と。これを聞いていた田中が「言葉って魔法みたい」と微笑んだ瞬間、クロエはおや?という顔をする。エマとは違う、自分と感覚の近い人物との思いがけない出会いだった。
大庵がクロエの家を訪問、お詫びに国技館のやきとりを持参して事情を説明する。元夫の悪ノリだったという。国技館がここからまっすぐ東だから、クロエの占いが当たった!というエマ。皆が話しているところにシモンがモノクロームパフェを出す。舌鼓を打つ一同にエマが「このプリン、大庵さんのラッキーカラーの灰色だ。」と喜ぶ。
ところがここでエマが朝シモンに話していた「おいしくないお菓子」を渡す。すかさず真秀が「おいしくないお菓子を人にあげるなんて!」と呆れる。それを見たクロエは「自分への当てつけ?」と怒り出す。そしてクロエは、ダイアンをみんなで探そうとした時にエマが電気屋へ行ったことを責める。しかし、エマも負けじと「そのおかげで大庵さんを見つけられた」と反論する。その様子を見ながらシモンは、「関係というのはその都度それぞれが構築していくものであり、仲良くしてほしいと願うのは自分の安心のためだ」と思い至る。
いつまでも口喧嘩を続けるクロエとエマに、真秀が「一緒にいてほしかったんですよね」と言う。すると否定するクロエにエマが嬉しそうに「そうなんですか?」と絡む。憮然としてパフェを食べるクロエとニヤニヤするエマ。それに微笑む一同。なんとも平和な食卓。
一転して、寧山新月に「家に連れ帰ってよかったのですか?」と聞く戸間(石井輝明)。それに「もう病院でできることはないから」と答える新月。
布団で眠る「暁(きょう)」という人物に語りかけた後、寧山は戸間に「宵(しょう)の行方を探せ」と指示を出す。そして部屋に飾られた古い写真には、新月が子ども二人と手を繋いで立っている様子が写っていた。子どもの一人はエマとそっくりな少女であった——。
第5話|魅力と魔力の違いと、2回目の救出
喫茶店パリでエマが卵焼きを作っている。カウンターで常連のじいさんズ(長州と半田)が言い合いをしている。喧嘩を止めるように言うエマ。シモンが「そのうちクロエさんから出禁にされますよ」と言われたじいさんズは、ここを出禁になったら駅前のスナックしか行くところがないが、そこで婆さんハーレムを作っている吉岡というじいさんがいる、と吉岡の悪口になる。「悪口を言っている時の長州と半田は生き生きしている」というエマに「エマちゃんがクロエの悪口を言っているのと一緒」と返される。
そこから、エマがクロエのことで愚痴をこぼし始める。聞きながら微妙な顔をするシモンだったが、作っていた卵サンドが出来上がり、エマがじいさんズに振る舞うことで一旦場は和やかになる。
エマが家にいるとクロエが美術館から帰ってきて、エマにお土産を渡す。エマがお土産のミュージアムグッズを手に取って「可愛い」と喜ぶのを見て、クロエが美術館の蘊蓄を垂れる。それを聞いたエマが美術館に興味を持ち「操られてる」とクロエに言う。すると急に電車で会った男性との会話を思い出すクロエ。「占い師は魔法使いか」とつぶやくクロエ。
電車の中でクロエと言葉を交わした田中奏大(桐山漣)が、モーリーの書き込みを見て占い屋ソールを訪れる。田中が占いを依頼したのは「ずっと探しているものが見つかるか」という問いで、占いの結果を見ながら質問するクロエに禅問答のような会話を続ける田中。最終結果のカードには「未来に最も恐れているものがやって来る」という示唆が出た。少し狼狽えながらも笑顔で「じゃあ近い未来に探し物は見つかるってことですかね」と聞く田中に「そうですね。そしてそれは最も恐れている形でくるでしょう」とクロエが言い放つ。
エマは立ち去る田中に首を傾げ、「田中奏大(タナカカナタ)」という名前が回文だから偽名ではないか、と言う。それにクロエが同意し、漢字が左右対称であることも指摘する。「なんか怪しい」と疑念を抱く。夜になり、クロエは田中が話した「レンブラントの絵の女性に指毛が書かれていた」と言う言葉が気になって仕方なく、パソコンで検索を始めるうちに田中のSNSを特定。最新の美術投稿の縦読みに「明日1時に駅の橋にいます」というメッセージを発見する。クロエは田中に「魔法をかけられていた」ことに気づき、田中に再び会いに行くことにする。
一方、クロエが田中と会っている間、パリではエマが「魅力」と「魔力」の違いについて考えていた。「それは恋だよ」からかうおじさんズ。否定しつつ、なおも考えているエマに、長州が「魅力にも魔力にも漢字の中に鬼が潜んでいる」と指摘する。
公園に向かって歩くクロエと田中。田中からの「恋人と長続きするか?」との問いに、「ノーコメント」と答えるクロエ。田中は、相手が自分に気持ちを向けてくれるまでの過程が好きだが、それを達成したらいつもその先が見つからない、と言う。それに対してクロエは過去の恋愛の思い出を語る。そして田中に「その先はあなたの中にあるのではないか?」と言うクロエ。
田中がクロエの名前を聞こうとした時に、クロエの元にシモンから「パリでエマが倒れた」との連絡が入る。クロエは急いでそこから立ち去る。
家に帰るとエマが水炊きを作っている。クロエが体調について尋ねると「たぶん冷えてお腹が痛くなったんだと思うので、今日は水炊きです」と笑顔で答える。
食事をしながら、エマがクロエに田中奏大と会っていたのか、と聞く。狼狽えるクロエにエマは、今日ずっと考えていたこと「魅力には意志がないが、魔力には人をどうにかしたいという意志があると思う。あの男は魅力的というよりも魔力的だと思うので、クロエさんにはあの男には近づいてほしくない」と言う。
それに拗ねたように反論しつつも水炊きをおいしい、と言うクロエにエマが微笑む。
次の日曜日、ネットで奥多摩の女性連続殺人事件の犯人が逮捕されたことを知るクロエ。そして、その犯人こそ、あの田中奏大を名乗っていた人物だったことに驚愕するクロエとエマ。彼の本名は神尾仁人(かみお・にひと)——「神」と「人」の間に「おに(鬼)」が入る名前だった。寧山新月が予言した「細身の猫背で30代の好青年」という犯人像は的中していた。
夜になり、いつものようにシモンのオリジナル”スパイシーパフェ”を食べて事件を振り返るクロエとエマ。逮捕のきっかけは、電車内でクロエの隣にいたカップルの女性が後に田中と交際し、他の女性の影を疑って調べたことだったとクロエは説明する。田中はあの電車でクロエとカップルの女性の双方にアプローチしていた。
クロエは、田中の言葉に共感したり惹かれたりした自分自身にゾッとしたと打ち明ける。「詐欺師は口が上手いから」とクロエを擁護するシモン。エマは「結局誰の心の中にも鬼がいて、その鬼を人に向けたり自分に向けたりするので、うまく自分でコントロールしていかねば」とつぶやく。「どう捉えるのは自分次第か」と前置きして田中が話していたことを二人に語るクロエ。いつまでも囚われてしまうのが魔力の本質だと結論づけるシモン。
クロエを元気づけようとエマが自分のラッキーカラーである茶色のラスクをクロエのパフェに乗せる。ここでクロエが初めてエマを占った時のことを思い出す。試練の現状、未来に影響し続ける過去の因縁、自由でいたいという本来の自分——そんな占い結果が出ていた。クロエが「助けてもらったのは2回目」とエマに言うと自分ってすごい、と自慢する。そんなエマに「寧山新月の方がすごい」と言って凹ませるが、「役に立たなくてもいてくれるだけで心強い」と伝えつつ、「独り立ちの資金が貯まるまでパリは辞めさせない」と宣言する。
パフェを食べながら顔を見合わせて笑顔になるクロエとエマ、それを見守るシモン。なんとも微笑ましいシーンで最終話は終了する。
おすすめポイント🐱
①布陣が豪華すぎる
原作は『逃げるは恥だが役に立つ』の海野つなみ先生の最新連載作品。監督は『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』の今泉力哉、脚本はPrime Original『1122 いいふうふ』でも話題になった今泉かおり。今泉夫婦タッグ×アマプラ、という組み合わせが再び実現!
②W主演・杉咲花×多部未華子の初共演が見もの
占いの店を中心に起こる謎と、対照的な2人の「仲良くならないのに心地いい」不思議な距離感がこの作品の核心。杉咲花は共演の印象を「不思議な心地よさがあった」と語り、多部未華子は「20枚の占いカードをすべて暗記した」という過酷な裏話も明かしています。ふたりの化学反応は必見です!
③「占い×ミステリー」という新鮮な組み合わせ
占いとは、自分の今の状況を知って、自分が自分の人生と向き合うもの。『クロエマ』は、占いに来るキャラクターを通して、自分の気づかなかった目線をそっと見せてくれる作品です。ほっこり癒し系かと思いきや、謎解きの要素もしっかりあって、最後まで目が離せません。
④プライム会員なら無料で観られる!
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